【読書プレゼン①】忍・薫

    こんにちは、今回は店主・忍と薫さんです。
    “考察したくなるジャパニーズホラー”

    【シライサン・乙一】忍

    陳腐な怪談都市伝説に良くある、○○さんという怪異系の話かと若干うんざりしつつ、しかし作者が乙一という事で恐らくただの怖い話ではないだろうなと期待を込めて読んでみました。
    読了後、ひとことで言うと「参りました!」でした。
    8割がた読み進めてもただの呪いが感染して人が死ぬ話なので、これはどうやって終わるんだろう?と思っていたら最後の数ページで全てが明らかになります。
    読後も内容の考察が頭にぐるぐる巡り、興奮がおさまらい。
    こちら、作者本人が監督で映画化もされたみたいなので、どうなっているのか見るのが楽しみです。


    追記蛇足:現作者ご本人が監督されている映画なのに『なんじゃこりゃ?』な作品でした。
    恐そうな映像を楽しむだけなら良いかと思いますが、話自体が原作から外れているので、ホラーファンとしてはあまりお勧めできるものではありませんでした。餅は餅屋…映像は映像屋に。クリエイターでも得手不得手があるんだなーというのが正直な感想です。

     

    【姑獲鳥の夏・京極夏彦】薫

    本作は偶然が重なって必然となっていった、母と子にまつわる悲しい狂気の物語です。
    「この世には不思議な事など何もないのだよ」
    冒頭の言葉にもあるように超常的な事では片付けず、きちんと事件を紐解いていきます。
    民俗学以外にも多くの学術的な知識が詰め込まれているので、その手の話が好きな人も楽しめると思います。
    と、言いつつも作者が怪異への憧憬が強い事を、合わせて感じられる点が個人的には好きです。
    「世の中には見てはいけないものもあるんだよ」
    最後まで読むと、この言葉と込められている優しさの意味がよく分かります。
    色々な視点で怪異を楽しみたい人へお勧めしたい作品です。

     


    追記・忍:こちらも映画になっているお話ですね。
    原作ファンからはすこぶる評判が悪く、原作未読だと意味不明な部分も多いとか。
    一部てんかん持ちにはキツイ場面があるのでそこは要注意です。
    気になる方はぜひ原作を読んでみてください。

     

     

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