こんにちは、今回の読書プレゼンは蒼汰さんと樹さんです。
【戦う操縦士 ・ サン=テグジュペリ】 蒼汰
「人は何のために生き、何のためになら死ねるのか?」
第二次大戦中、フランスの飛行部隊として、負け戦と分かっていながらも国家に従い敵地へ向かわなければならなくなった男の物語です。
戦争の最中、主人公は様々な地へ降り、現地の人々と交流することで、戦うことの意味や生きる理由について考えます。そして「国家のため」に全てを捧げることが当たり前だった時代、「人の平等のため」に生きたいと感じるように変化していきます。
もしも自分がこの戦時下に生まれていたら、同じような境遇であったら、これほどまで「人間」がどのような生き物であるか冷静に思考し、正義感を持って行動することができるだろうかと緊張しながら読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきました。
著者は実際に操縦士(兼作家)で、全て実体験がベースということもあり、空中での戦闘シーンのリアルさは一級の戦争映画を観ているような臨場感に溢れていて圧巻です。そういった意味でもより主人公の境遇に入り込んで作品を楽しむことができます。
国家と個人、生と死、の問いに身を持って迫られるという、この現代を生きる上では体験できない壮絶な世界がこの小説にはあります。
因みにこの本は、戦闘機好きである宮崎駿の愛読書でもあります。
【眼球譚 ・ ジョルジュバタイユ】 樹
ジョルジュバタイユの処女作を改編して出版されたこの作品、
バタイユを知るための入り口として広く知られています。
シモーヌという少女が性的なことに関して知的好奇心が旺盛で、主人公が少し振り回させるというような内容です。
しかし、その知的好奇心が一般的な感覚と違い、例えば、司祭の尿を聖杯に満たさせてから本人に飲ませるなど、どこかSMチックな内容もあり、シモーヌの感性は自分の幅を広げるのに良いな、と思いました。
眼球譚ともタイトルにあるように、眼球に対してエロスを感じることもテーマの1つです。
ある種の性的倒錯ですが、エロスについての知見が広がるのでオススメです。