なぜ道具がいくつも増えていくのか?【コラム・亜希】

    【なぜ道具がいくつも増えていくのか?】

    「なんで同じような鞭や拘束具がこんなに沢山あるんだ…?」
    デビュー前にオーナーのプレイバッグを見せてもらった時の率直な感想です。

    「これとこれはどう使い分けているんですか?」と聞くと「全然違うよ〜」と返され、そういうものかと思いながらも頭の中は疑問でいっぱい。そもそも全部ひとつで済ませるためにボンテージテープがあるのでは…

    そう思いながらプレイを進めていった今、僕のキャリーケースには以前見た景色と同様、似たようにも見える道具で溢れかえっています。

    どこかを叩かれながらの行為として想像してみていただきたいのですが、
    床に座らされているのか、ベッドの上で寛ぐような体勢なのか。
    手は握られているのか、それとも掴まれているのか。
    首に繋がれたリードは相手の手中にあるのか、それとも柱に繋がれているのか。
    まるでイメージが変わってくるのではないでしょうか。

    極端な例を引き合いに出しましたが、痛みや拘束の種類でも同じことが言えます。
    そしてそれぞれに「その手段でしか辿り着けないひとつの到達点」みたいなものがあるように思います。

    精神的なつながりや満足感は、より強い苦痛でもなくエキセントリックなプレイでもなく、そういった印象の積み重ねで得られるものだと感じています。
    またそうして残った痕だからこそ愛せるのではないのかなとも。

    かくいう僕も、SMを始めてから質感の違いや季節の匂いに敏感になった気がします。
    SMは感受性を育てる手段としても有用だと思うここ最近です。

    春めいた季節になってまいりました。
    昼夜で寒暖差の激しい時期ですので、どうぞご自愛ください。

    亜希

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