こんにちは、レセプションです。
風が身に沁みる季節になってまいりましたね。
この季節になると、ふと思い出す若かりし頃の苦い…もとい、痛い思い出。
私事ではございますが、ちょっとお話しさせていただけたらと思います。
上京したてのとある冬、都内のバラエティ雑貨ショップにお付き合いしていた方と立ち寄りました。
特に目的があったわけでもなく、所謂なんとなく、といったところです。
とはいえ、田舎から出てきた私たちにとって、所狭しと並んだ商品を物色するのはとても楽しものでした。
まるで宝探しをしているようで。
そこで私たちは、「アドルドグッズ」のコーナーへ足を踏み入れたわけでございます。
胡散臭いサプリメントやら実用的なものまで並んだところに、それはありました。
「SMセット」です。
内容は、手枷や目隠し(ただの黒いアイマスク)、そしてボールギャグでした。ご存知の方も多いかと思いますが、ピンポン玉程度のボールに穴が開いている口枷です。
安価なものですし、実物と初対面だった彼は年頃の興味から購入致しました。
そして早速試着。
まぁ雰囲気を楽しむものですからね、手枷は私の力が強いのか装着した手首を動かしてみた所早々にチェーンがちぎれ、鎖を広げてまた付け直すはめになりました。
ボールギャグは黒一色の後頭部でベルトをとめるものでしたが、口に入れるボール部分がやや大きいと感じました。じわじわと痛くなる両耳の付け根と顎の骨。
これはこういう痛み込みのタイプなの?と思うほどでした。そして外そうとしたとき、悲劇は起こりました。
ボールが取れない
不自然に開きすぎた口にすっぽりはまってしまったボールはびくともしません。
もともと私はあごの骨が小さめで顎関節症でした。治療用のマウスピースの型を、成人用でとることも難しいくらいです。するめなどの硬いものを咀嚼したり、大口をあけてなにかをほお張ったりあくびをするたびにガコンという違和感が顎の付け根にありました。
にも関わらず、これはこういう痛みが伴うタイプの御道具なのだと勝手に思い込んでいたのです。
つけてわずか5分程度だったかと思います。
ふたりであたふたしながらどうにか口から出そうと試みます。次第に口の中は乾いてきて、取れないという焦燥感と痛みから額に汗が滲みます。
そして意を決して、半ば強引に口を目いっぱい広げて抜き取りました。
そこから口を閉じることもままならず、思い切って口を閉じたときのあの耳を突き抜けるような痛みは今でも忘れられません。
私はしばらく悶絶し、両耳を手で押さえながら横になっていました。
数分後痛みはひきましたが、ムードも何もあったもんじゃありません。
以上のような私の経験から、皆さまには是非、ご自身で一度お試しいただけるものは『プレイ前に一度身に着けてから』ご持参いただけますと幸いでございます。
こういった拘束具だけではなく、衣装等もごくまれに肌トラブルになるものもございます。
また、明らかに私のような、本来の用途とは異なる痛みや違和感がございましたら、遠慮なくキャストさんにおっしゃっていただければと思います。
プレイにおける痛みは、時としてそれ以上の意味をもつものになることでしょう。
ですが、こうしたストレスになるような痛みは素敵なひとときの妨げとなってしまいます。
私事となってしまいましたが、是非くすり、と笑っていただけたら幸いでございます。
それでは皆様も、思い思いの衣装や御道具で素敵なひとときをお過ごしくださいませ。
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